東御市より嬬恋村の鹿沢温泉へ至る湯道という道があった。ここに至るまでには湯の丸高原を超えていかなければならない。109m置きに観音様を百体。温泉へ至る道中の安全を祈願して江戸の末期に安置された。昔の単位では1町は109m。一町ごとである。約11km、三里には少し届かない道程である。しかしこの間標高770mほどから出発し1700m程の地蔵峠を超え1500mほどの鹿の沢温泉にまで下がる。当時と同じ道ではないが車で走っても急な道である。
こんな道を歩いて湯治に行ければ元気になるのは当たり前。観音様百体にお参りをする事は功徳を積む事になる。温泉に行く途中で功徳を積み元気になり、帰って来る時も功徳を積んで帰って来る。おそらくこの時代温泉に行くのに大荷物であった筈。馬子もいたであろうが、徒歩が多かったであろう。
この事を想うと如何に楽をさせてもらっているか、感謝が足りないのに観音様の前を素通りする私は何と不信心かと反省をする。
温泉に行きながら功徳を積む、身体にも心にも魂にも良い湯治。時間はかかったかもしれないが効率は良かったのだろう。